本日14時、気象庁の職員が東京の桜開花を宣言しました。11輪の開花を確認できたようだ。
平年より10日早く過去最速タイの開花なようで、桜=入学式のイメージはとうの昔になってしまったようで、おじさん的にはなんともモニョる次第です。下手したら卒業式シーズンには散ってるのでは?
とはいえ、テレビ局各局が靖国神社の標本木を撮影し、ここ数日は気象庁の職員が来れば生中継するなどの加熱ぶりには、いささか辟易してしまう。
他に報じることないの?
こんなことを思い「無意味さ」を感じてしまうのは、何も私だけではないはずだと思いたい。
トルコの大地震はほとんど報道されなくなり、ロシアのウクライナ侵攻もWBC開幕の影響か露出が少なくなった気がする。少し前までは海外のニュースばかりだったのが疑問だったが、今ではWBC一色なのがまた極端だ。
そこに「桜の開花宣言」である。どんだけ報道することないんだ(笑)
今日も日本は平和なり?
連日こんな報道を続けるニュース番組を観るに「日本はなんて平和なんだろう」とほっこりする…と言えなくもないが、本当に日本は平和なのだろうか?
ちょっと前には、やれコロナウイルスだ旧統一教会だと連日報道され、最近ではエホバの証人などの問題もあっただろう。他にも袴田事件の再審やガーシー議員の除名問題などもあるが、これなどはほとんど取り上げられることはない。(私が本日のテレビを見ている限りにおいて…)
本日だって北朝鮮が日本海に向け2発のミサイルらしきものを発射したが…ご存知ない方もいるのではないだろうか。
ここで取り上げたニュースなどは、まだまだほんの一部だろう。日本には報じるべき問題が数多くあるはずである。
限られた時間の中で報じられるニュースは限られているはずで、本当に「桜の開花宣言」のプライオリティ(優先順度)は高いのだろうか?
それでも報じるべき理由
それでも「桜の開花宣言」に時間を割くテレビ局が多い以上、そこには何かしらの理由があるはずである。
良い機会なので調べてみたら、WBCよりはプライオリティが高いような気もしてきたので紹介してみたい。
歴史は古く「ソメイヨシノ」に意味がある
明治から大正時代の初期から研究が行われ、昭和初期には開花予想が始まった。当時は農業研究の一環であり一般公開はされていなかったようだ。昭和26年に気象庁による開花予想が始まり、それが現代の開花宣言へとつながっている。(注:現在では気象庁による開花予想はされておらず、あくまで開花の宣言をするだけである。)
しかし、なぜ桜だけ開花宣言がされるのだろうか?昔から日本人は桜が大好きだったから?菜の花だってチューリップだっていいじゃないか…と思ったのだが、桜それもソメイヨシノだから意味があるらしい。
ソメイヨシノはほぼ全国に分布しており、日本中にある桜の80%がソメイヨシノと言われている。そのどのソメイヨシノも元を辿れば1本のソメイヨシノに行き着く。言うなれば1本のクローン桜が広がっている事になる。
ゆえに開花のメカニズムは一緒で、一定の気温に達したら一斉に咲き乱れる。だからこそソメイヨシノの開花を観測する事で、生物に及ぼす気候の影響を調べる事も重要な役割があるらしい。
農家さんや酪農家など生き物を対象に生計を立てている方には、とても有益な情報だからこそ迂闊に止めることができないようだ。
時代に合わない?そんなことない!
昨日のCBCテレビ『ゴゴスマ -GO GO!Smile!-』にて桜開花のニュースを報じている際、ゲストが「4輪だったらもう言っちゃっていいんじゃない?」と疑問を投げかけると、天気担当・沢朋宏アナウンサーは「データの積み合わせが意味がなくなっちゃう。年によって『まあ…開花にしましょうか?』ってやっちゃうとダメ」と説明。
また「本当にデータを集めたいなら、こんなアナログなやり方はしない方がいいと思う。」と指摘するも、沢アナは「逆に技術が進化したからデジタルなやり方ってやると、昔とは観測方法が違うから、今年からのデータの取り始めになってしまう」と、連綿と積み重ねてきたデータの重要性を説いた。
このように厳格なデータの取り方で積み重ねたデータだからこそ、現代の生活に生かされることもある。
わかりやすいところだと「地球温暖化」だろう。冒頭にも書いたが桜=入学式のイメージは昔の話。今では卒業式のイメージだ。その原因の一端が「地球温暖化」によるものである。
だがそれだけでは説明がつかないこともある。ソメイヨシノの開花が「気温」によるものだとしたら、今日のように関東地方が真っ先に開花する事は不自然に思わないだろうか?九州の方が平均気温は暖かいでしょ?
東京の平均気温=15.8度
気象庁
鹿児島の平均気温=18.8度
(ともに30年の平均)
それなのに東京が福岡より早いのは、東京の「都市化」による影響らしい。日本の平均気温の上昇は1.28度だが、こと東京だけに絞ると3.3度も上昇しており、それが原因で東京地方が一番早く開花するとのこと。
とは言え他にも樹齢や冬の冷え込みなどの要因もあり、まだまだ全てを解明するには至ってないようだが…。
いいぞ!もっとやれ
長年にわたる厳格なデータの取り方で積み重ねたデータだからこそ、地球規模の変化に気づけることは確かだろう。
だからこそ迂闊に止めることはできないし、ニュースで報じる意味もあるというもの。それに日本人はやっぱり桜が好きだからこそ、小売店や飲食店にとっても桜の開花は売り上げに大きな影響を与えることも考えられるので、今後も桜の開花を追う動きは止まらないだろう。
まぁ私にとってもコロナなど暗いニュースばかり連日報道されていた数年前は、このような明るいニュースは息抜きにはちょうど良いとすら思っていた(笑)
今ふと「桜の開花宣言なんている?」と思えるようになったのは、マスクの脱着は自主判断などコロナに少し収束の気配が漂い始めたからこそ…と言えるかもしれない。その点を含めて「桜の開花宣言」を温かく見守る風潮は続けて欲しいものだ。
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