やはり41年前の事件は冤罪…というより仕組まれた事件の様相を呈してきた。が、崩しきるには敵が権力を持ちすぎているように思える。
次回が最終回。駆け足で解決へ向かって行くのだが時間的にカツカツでは?
それに、今話のラストで起きた事件…言っちゃ悪いけど想定内というか、あるあるすぎてつまらないですわよ。

個人的には今期覇権ドラマ確定か?
『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS、以下『ラストマン』)は、毎週日曜日21時に放送されている1話完結の完全オリジナルストーリー。
主演は福山雅治と大泉洋のダブル主演。
福山が演じるのは「どんな難事件も必ず最後に解決させることから“ラストマン”と呼ばれていた」という全盲のFBI捜査官・皆実広見(以下、皆実)。
大泉はその皆実のアテンドを命じられた、警察庁人材交流企画室の室長・護道心太朗(以下、心太朗)を演じる。
脚本は『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2021年、主演:鈴木亮平)や『マイファミリー』(2022年、主演:二宮和也)など、日曜劇場で数々の大ヒットドラマを担当してきた黒岩勉。サスペンスやミステリーを得意とするだけに、今作も予想のつかない目まぐるしい展開のミステリーを期待したい。
視聴率は14.7%→13.1%→12.0%→12.4%→12.8%→12.1%→12.9%→12.6%。そして今話は…12.7%と全話2桁をキープしており、今期のドラマの中でも首位独走といったところか。私が今期の覇権ドラマと言い切ったドラマだけに期待通りとも言えるだろう。(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)
第9話ざっくりあらすじ
皆実と心太朗は協力して41年前の事件を捜査することに。
そこに皆実のアシストをしている吾妻ゆうき(今田美桜、以下吾妻)と心太朗の義甥・護道泉(永瀬廉、以下泉)も合流。しかし泉は護道家から捜査に参加しないように忠告されている。
捜査を進める上で、皆実の父・皆実誠(要潤、以下皆実の父)は不動産業を営んでおり、強引な手口で地上げを行なっていた。その背後には泉の母親の父で政界のドンとも称される弓塚敏也(石橋蓮司、以下弓塚)がいた。
弓塚は土地開発を進める中で、誠や裏社会の人間を利用。彼らの犯した罪を警察や法務関係の人間に手を回し揉み消していく。
皆実と心太朗は41年前の第一発見者である元警視庁捜査第一課長(当時は交番勤務?)・山藤憲治(金田明夫、以下山藤)と接触。当時の話を聞くが、何やら隠している気配を感じる。
また、皆実の父の地上げの手伝いなどをしていた裏社会の人間・池上隼人(渡辺哲、以下池上)にも話を聞くのだが、やはり肝心なところでは口をつぐむ。
その池上は、皆実と心太朗に話をしたその夜、何者かに殺害されてしまう。捜査を進めようとするが…上層部から「事故で進めるように…」と一方的に告げられ手を引くように言われてしまうのだった……。
心太朗・実父の心の内はいかに?
私は第7話の記事で「41年前の真犯人は護道家の人間…それも心太朗の義兄で警察庁次長の警視監・護道京吾(上川隆也)ではないか」と推察した。
どうやら護道家は直接的に手を下していたわけではなく、弓塚の尻拭いをすることで警察や政界の上層と接点を持ち、警察庁長官の席へ辿り着いたという関係性だったようだ。
心太朗の実父・鎌田國士(津田健次郎、以下心太朗の実父)は、弓塚並びに護道家に犯人へ仕立て上げられた形である。
もちろん心太朗の実父にも動機はあった。弓塚達の地上げによって家業の大衆食堂が閉鎖の危機に陥っていたからだ。皆実が心太朗の実父と皆実の父が言い争っていたのを記憶しているので、心太朗の実父が皆実家に来たことは間違いなさそう。
が、池上や山藤など41年前の事件に関わった人間が次々と死んでいくことを鑑みると、彼らが手を下した…と考える方が自然である。
そうなると…心太朗の実父にとって弓塚や護道家の人間の話に乗るメリットはなんだろう?一人息子である心太朗の身の補償と将来の約束、それくらいで自身の人生を棒に振るだろうか。放火殺人ってことになるから、重い実刑なのは当初から想定できるだろう。
現に心太朗の実父は無期懲役。今話で面会に行ったが体調不良で面会できず、余命も…と言った具合だった。
心太朗が実父との思い出を振り返るとき、なんとも温かい家庭・父親だったように思える。そんな父親がなぜ?と思わざるを得ない。
次週最終回でその辺りはきちんと回収されるのだろうか?
最終回…楽しみだなぁ
心太朗が心の底から尊敬していた山藤が、弓塚らによって手を汚していた事実。そしてそれを悔やみ投身自殺するなど、今話では予想外の出来事が多かった。
冒頭にも書いたが、このドラマの脚本家・黒岩勉は『マイファミリー』(2022年、主演:二宮和也)も担当していた。私は『マイファミリー』をリアタイ視聴していたが、毎話予想を裏切られハンカチを噛んだものだ。
この『ラストマン』も最後に大どんでん返しが待っているのではないか…と密かに期待しているが、しっかりと伏線も回収してほしい。
でも今話のラストで、泉が周囲の静止を振り切り単独行動した結果、腹部を刺され心肺停止になったアレ。なんであーいう時って単独行動しがちなんでしょうね?物語が展開しないから…なんて予定調和すぎて「あ、こいつヤバいな…」と想像通りでしたよ。
とは言え、流石に犯人までは想定外だったけどね。
各話感想一覧
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『ラストマン』最終話。意外な結果&最高の役者発見で大満足なだけに…続編情報がなくつまらない!
『ラストマン』最終話。脚本家・黒岩勉恐るべし!これほど最高なドラマは久しぶりに見た気がする。それに…以前の京本大我もそうだったが、このドラマで新たな魅力に気がついたもう1人の役者…津田健次郎も最高だった!続編はいつ? -
『ラストマン』第9話。41年前の事件の全貌が見えてきた!しかし…単独行動が予定調和すぎてつまらない
『ラストマン』第9話。今話はかなり意表をつく展開が多く楽しめた。『マイファミリー』でハラハラドキドキさせられた身としては、やっと脚本家・黒岩勉の本領発揮といったところか?残す最終回で伏線回収できるのかが心配ではある。 -
『ラストマン』第8話。事件はつまらないが必殺仕事人のDNAは確実に受け継がれている?通常の事件も意味はあるのか…
『ラストマン』第7話。我々世代で「京本」といえば「政樹」なのだが、これを機に「大我」になりそうだ。そんな気配漂う京本大我の熱演に感動した!とはいえ、本筋の41年前の事件が停滞していてドラマ自体はつまらないものだった。 -
『ラストマン』第5話。なんか事件があっさりでつまらない。ようやく皆実の魂胆が明らかに…
『ラストマン』第5話。今回はインフルエンサーの「承認欲求」がテーマ。だがそんなテーマなんかどうでも良いほど事件があっさり解決してしまい、サスペンスものとしては本題が疎かすぎてつまらない。まぁそうせざるを得ない理由はわかる。 -
『ラストマン』第4話。リアリティの無さがつまらない。痴漢はする方もされる方も…冤罪被る方も不幸になるだけ!
『ラストマン』第4話。今回は「痴漢」をテーマに進んだのだが…作中にリアリティが無い場面が多く、どうにも興醒め感が否めなかった。それに、大泉洋の使い方に対しても違和感がある。彼に気持ちよくモノマネさせているようでは…生きないぞ。 -
『ラストマン』第3話。特筆することがなくてつまらない!ただの普通の刑事物ドラマすぎる…
『ラストマン』第3話。今回は…見逃したとてなんの問題もないくらい進展のない回。巷では皆実が「実は目が見えている?」と疑惑を持たれているのだが、それに関して私としては実体験を通してキッパリと否定したい! -
『ラストマン』は内容が全く入ってこない!それはひとえに大泉洋のせいである
我々にとって『ラストマン』の主役は大泉洋である。まぁそのおかげで内容が入ってこなかったんですけどね(笑)2回観たところ内容にも大満足!今期ドラマで1,2を争う期待値だったが…これは今期の「覇権」待ったなしか?
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