やはり加賀美が犯人でしたな!私の推論が当たったのは喜ばしいが…その犯行理由がなんともチープ。
「優しい嘘」とは言え、嘘はウソ。傷つかない人間がいないとも限らないことを理解していなかった大人のせいと言っても過言ではないだろう。
それに…もう一つの事件には一切触れず?どうすんのさ?

こんなオチは酷い!
毎週火曜21時からテレビ朝日で放送されている『unknown』は、高畑充希と田中圭のダブル主演。
原作はなく完全オリジナルストーリー。おっさん同士の恋模様を描き社会現象を巻き起こした『おっさんずラブ』の製作陣が5年ぶりに再結集。
大切な人が、これまで誰にも言えずひっそり抱えて生きてきた秘密(=unknown)を知った時、それでも変わらず相手を愛し続けることができるのか…。
テレビ朝日『unknown』公式サイトより
視聴率は7.6%→6.1%→6.2%→5.6%→5.2%→5.3%→6.0%→6.9%。そして最終回は…7.0%。全話通しての平均視聴率は6.21%。
ちなみに…前期の同時間同チャンネルの2023年冬ドラマ『星降る夜に』は、平均視聴率7.04%だった。(ビデオリサーチ調べ。リアルタイム、関東地区)
最終回ざっくりあらすじ
交番勤務をしている朝田虎松(田中圭、以下虎松)と婚約者で吸血鬼・闇原こころ(高畑充希、以下こころ)が住む町で起こっていた連続殺人。その犯行を自供したカメラマンでこころの仕事の相棒・加賀美圭介(町田啓太、以下加賀美)は、こころを殺害しようとする。
しかし、今福梅(木野花、以下梅ばあ)からもらったコロッケの中に入っていた毒物により吐血。犯行は未遂に終わる。
その頃こころの実家には、こころの両親を殺害しようとする梅ばあの姿があったが…こちらも失敗。
梅ばあは警察に連行され「私が全部やりました…」と自供するも、その話にはどこか一貫性がなく…ついに証拠不十分で釈放。同時期に病院に入院していた加賀美も姿を消す。
虎松とこころは共に加賀美の部屋へ行き、動機となる証拠を探そうとしていると、加賀美が生活をしていた養護施設で梅ばあが働いている事実を突き止めた。
こころの元に加賀美から「……今から、殺しに行っていい?」と電話が。ついに全てが明らかになるのだが……。
優しい嘘なんて欺瞞である
色々と思うことはあるのだが、とりあえずは今話での出来事を振り返りたい。
加賀美が連続殺人犯であることが確定し、私の推察が当たったことは素直に喜びたいところではある。
しかし…その動機がどうにも不可解。
加賀美は両親がいないことはこれまでに判明していた。が、その理由がキャンプ(ハイキングかも?)で幼き頃の加賀美が摘んできたスズランを紅茶に入れ飲んでしまい、その中毒で死亡したという。
その原因を梅ばあを含めた周りの大人は幼き加賀美に真実を告げることはなく、落ち込んでいた加賀美を元気付けようと梅ばあは、加賀美が大好きだった吸血鬼の絵本を読みながら「吸血鬼のせい。一緒に退治しよう」と話していた。
それを加賀美は大人になっても信じていたところ、親友だった相手が吸血鬼とカミングアウトしたことにより「本当に自分の両親は吸血鬼に殺されたんだ」と盲信し連続殺人に至ったとのことだった。
梅ばあは善意から嘘をついたわけだが、加賀美は間に受けてしまい凶行に及んでしまった。このことを梅ばあは心の底から悔いるのだが…これは責められるものではないだろう。私が梅ばあの立場でも本当のことは言えない気がする。
ネット上でも「これはキツイ…」「『恨んでいたのは結局自分なの?』っていうセリフが悲しい」と同情の声が多かった。
が、加賀美も加賀美で…ある程度成長したら調べるなりなんなりしそうなものである。だって週刊誌のカメラマンなのだから。
それに、幼き加賀美はスズランを摘んでまな板と包丁で刻んだところで、他に興味が移ってしまいそのまま放置。それを両親がポットに入れて飲んでしまったのだが…そんなことある?
本人たちは見覚えのないであろう得体の知れない刻まれた草木を、なんの躊躇もなくポットに入れて飲んじゃうなんて…さすがに不注意がすぎると言わざるを得ないだろう。
ラストシーンの意味は?
そして、何よりも不可解なのが…虎松の父親・一条彪牙(井浦新、以下彪牙)が犯人とされる『宗像一家殺害事件』に関しては、一切謎のままに終わってしまった。
なぜ彪牙は犯行に及んだのか?投身自殺を図ったその後はどうやって生きていたのか?そもそも彪牙は犯人だったのか?…などなど。気になる点は山のようにある。
以前から何度も書いているが、私としてはこの事件の真犯人は虎松ではないかと睨んでいた。その身代わりとして彪牙が罪を被った…と思っているが、それも釈然としないまま終わった。
おい!良いのかよそれで。
今まで虎松とこころと加賀美の三角関係を煽るような描写を入れてきたり、過度なコメディ要素を入れるくらいならこの辺を掘り進めて欲しい物なのだが?
それに最終回の最後のシーンは、虎松とこころの結婚式の余興で流されるはずだったであろう動画が流れ、そこには加賀美や連続殺人の被害者であるまつり(ファーストサマーウイカ)や世々塚(小手伸也)、それに梅ばあも…主要登場人物全員が参加した動画が流れた。
ネット上でも「う~ん…最後の動画要ったかな?」「途中まで面白かったのに最後が微妙」という声が多く、憤りを感じていた人もいたのではないだろうか。
こんな中途半端な新しい謎を投下するくらいなら、しっかりとフラグを回収していただかないと困る!
続編ないと腑に落ちないレベル
ひょっとして続編や映画化などの話が出るのかとも思ったが、今のところ公式発表はなく「DVD&Blu-ray発売」の情報だけである。まだそれらの売れ行きを加味してから…という可能性はあるか?
しかしネット上では「全然すっきりしない」「最終回だけ不完全燃焼すぎ!」「彪牙の話は?」など非難の声が多く聞こえているのをみて、私としては溜飲が下がる思いではある。
前回までは真犯人探しなどを含め、ハラハラと楽しく鑑賞していただけに…この最終回の仕打ちは酷いと言わざるを得ない。
各話感想一覧
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『unknown』最終話。持論「連続殺人犯=加賀美」が正解も…犯行理由がつまらない。もう一方の事件は宙ぶらりんで消化不良だ
自説「連続殺人犯=加賀美」は正しかった!しかし喜べるような背景ではなく「優しい嘘」による不幸の連続には胃が痛む。とは言え…あまりにも積み残したフラグが多すぎて憤りの方が多い。過剰なコメディとかラストの映像とか…意味あったん? -
『unknown』第8話。衝撃の結末?持論「連続殺人犯=加賀美」が立証されたようでつまらない…と思ったが大どんでん返し!
自説「連続殺人犯=加賀美」が立証されたかに思えたのも束の間…まさかの大どんでん返しが待っていた。それにしても意外すぎる犯人で、にわかに信じがたい。というよりも、私にとっては真犯人より真犯人らしい人物が浮上したのだが… -
『unknown』第5話。シリアス展開の裏のコメディ要素がつまらない。そろそろシリアス一辺倒でもいいのだが…
前回打ち出した「虎松=殺人鬼」説と「南十字=連続殺人犯」説がかなり補強された気がする第5話。このドラマはコメディシーンの裏に真実があるとも読み取れるので、一瞬たりとも気が抜けず観てるのが疲れる…。 -
『unknown』第4話。予想通り「虎松=殺人鬼」説が濃厚か?公式のヒントの出し方がつまらない…
前回打ち出した「虎松=殺人鬼」説がかなり補強された気がする第4話。それには公式が出すヒントの信憑性を考えなければならないが…まずは信じてみようじゃないか!そうなると「連続殺人鬼」の予想もある程度立つだろう。 -
私の予想は「虎松=殺人鬼」だ!『unknown』第3話で虎松の過去が明らかになるも…その程度ではつまらない!
ポスタービジュアル「女性=唇、男性=瞳」が赤いことから推察した前回。一瞬私の推察は外れたか…と思ったが、今回新たに提示された情報を精査し新たな推察が成り立ったものの、前回の推察を超えたショッキングなものになってしまった。 -
『unknown』コメディ過ぎて「つまらない」と批判たっぷりも…社会問題に切り込むにはちょうど良い塩梅!
初めは観るつもりではなかった『unknown』。コメディ調の演出には批判が多く「視聴打ち切りだな」なんて声もあったが、私は観れば観るほど引き込まれるものがあった。その理由は…コメディの皮を被った社会派ドラマに思えたから?
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