『風間公親』第10話。何を観てるんだろ…と混乱するほどのつまらなさ。低迷の理由は木村拓哉のせいじゃないな…

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逆にキムタクの心理カウンセラー役は観たいかも

木村拓哉も仕事を選ぶべきだよ。このドラマはやるべきじゃなかったのではなかろうか?

木村拓哉である必要も感じないし、事件の解決も穴だらけ…その上視聴率低迷を受けて「キムタク神話崩壊」とか言われる始末。

個人的にキムタクは好きなので、変なドラマに出演してネームバリューを下げてほしくはない。

目次

ついに分かった違和感の正体

木村拓哉主演の月9ドラマ『風間公親』は、2020年と21年に新春スペシャルドラマとして放送された『教場』シリーズの前日譚。

木村が演じるのは、キャリアの浅い若手刑事が実際の殺人事件の捜査を通して刑事としてのスキルを学ばせる新人刑事の教育にあたる“刑事指導官”の風間公親。『教場』シリーズで風間は義眼だったが、その理由がこの『風間公親』で明かされることとなる…。

2013年の「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、2014年の「このミステリーがすごい!」第2位などと数多くのタイトルを奪取。警察小説の新境地としてシリーズ累計100万部突破のベストセラーとなった長岡弘樹氏の『教場』シリーズが原作。

しかしその期待値とは裏腹に、平均世帯視聴率は12.1%→10.7%→9.8%→9.6%→9.1%→8.3%→8.9%→9.4%→9.9%。そして今話は…9.4%だった。

10話までの平均は9.72%。キムタクドラマ初の1桁フィニッシュ確定か?

第10話ざっくりあらすじ

ある日、風間公親(木村拓哉、以下風間)と今回からの新人刑事・中込兼児(染谷将太、以下中込)は変死体が発見された現場に臨場する。死亡したのは、22歳のデザイナー仁谷継秀(岡田義徳、以下継秀)の妻・清香(竹下景子)だった。

遺体に外傷は無く、キッチンのコンロにはアルミホイルに巻いて焼いていた魚が炭化。死亡原因はフッ化水素ガスの吸引によるものと判明する。

推定死亡時刻、継秀は印刷会社に勤める田瀬葵(中村ゆりか、以下葵)と食事をとりながら打ち合わせをしていた。葵に会いに行った風間たちは、継秀がいつもと違ってセット料理ではなくコース料理を頼んだことを知る。

清香は認知症を患っており、中込は自身の母と重なってしまい継秀を疑いきれない。しかし風間は「いつもと違う行動をしたということは、日常に異物が紛れ込んだということだ」と、継秀が犯人と推定しているようだった。

中込は、風間の言葉の意味や継秀の証言、現場を見たときに感じた違和感などから犯人を追った……。

あまりにもチープなお涙頂戴…

とりあえず今回のツッコミポイントを…まぁ今回に限った話ではないのだが、犯人を追い詰める要素に状況証拠が多すぎる気がする。

認知症の清香は、何かしている最中に別の話題を振られるとそれまでやっていた行動を忘れてしまう。それを利用し、毎週水曜日は魚を焼く清香の習慣を知っていた継秀は、調理しているであろう時間に電話をかけ「冷蔵庫が散らかってたから片付けて」とお願い。

清香は案の定コンロの火を消すことなく冷蔵庫の整理を始め、そのうち有毒ガスが発生。そのガスを吸ってしまい死に至ったということのようだ。

今回の決め手は、認知症を患っていた清香は電話の会話を忘れないために録音する習慣がついていたのだが、死亡直前に調理していたのでその録音ボタンに「塩」が付着していた。にも関わらず最後に電話したはずの継秀との録音が消されていたから…というものだった。

正直言って「だから?」って話だと思う。これ…裁判で立件できるのだろうか?

しかも、認知症を患っている清香が今際の際にも関わらず「これまで迷惑をかけたから…」と継秀の仕業と理解した上で証拠隠滅を図った。そして満足した表情を浮かべ絶命した…と締め括られていた。

これまた正直言って「は?なんだそりゃ?」という感想しか抱かない。あまりにもご都合主義のチープなお涙頂戴ストーリーすぎて「一体何を観てるんだ?」と思うほどだった。

いいのか?そんなんで。

新人教育とは一体…

そして、肝心の風間さんだが…彼の役目は冒頭にも書いた通り、キャリアの浅い若手刑事が実際の殺人事件の捜査を通して刑事としてのスキルを学ばせる新人刑事の教育である。

なので、これまでも風間自身は犯人も動機も証拠も全て分かっていながら、新人が気付くのを促していた。これに関しては教育係として間違いのない行動ではあると思う。

しかしだ。今回の中込は自身の母親の認知症に悩み犯人に感情移入してしまっていたり、幼少期に誘拐された経験からか被疑者への暴力や素行の悪さが目立っていた。

それを風間は見抜き、犯人(継秀)を前に中込に自身の家庭環境や誘拐事件のことを話させた。中込は「やっと言葉にできました…これからは感情をコントロールできそうです」と風間に感謝していた。

これって新人教育っていうより…心理カウンセラーの仕事じゃないですか?

そう考えると、シングルマザーの隼田聖子(新垣結衣)の家庭内暴力被害とか、ダメ男にひかれた・鐘羅路子(白石麻衣)とか、小学生時代にひどいイジメを受けていた・瓜原潤史(赤楚衛二)など、過去の新人においても心理カウンセラー的な仕事をしていたように思う。

ヒューマンドラマとして描きたいのかもしれないが…そうなると刑事ものである必要性がいまいちわからない。

戦前から予想していた?

ドラマ開始直後から抱いていた違和感が、ようやく分かった気がした今話。

刑事物のドラマとしてはチープなトリックだし、新人教育官としての行動も中身は心理カウンセラー…など、そもそも破綻していたのではないだろうか?

単発のスペシャルドラマであれば良かったのかもしれないが、連続ドラマとして観ているとやはりその齟齬は大きな違和感となってしまう。

木村は完成披露舞台あいさつにも関わらず「『月9』って、もう言わなくてもいいんじゃないかって個人的には思ってる」「『ないな』と思いました」「“あんな作品”を地上派でお届けするという、パンクなもの作りをさせてもらった」「これやっていんすかっていう感じ」とネガティブワードを連発していた。

木村自身もこのドラマに対する違和感を薄々感じていたのではないだろうか?

『風間公親』はキムタクドラマ初の1桁フィニッシュが現実味を帯びてきているが、正直言って「キムタク神話崩壊(笑)」などと茶化す気分にはならない。木村もこのドラマの被害者なのだから…。

各話感想一覧

関本貴仁
運営責任者
20代を広告代理店で過ごし、紙・ウェブ媒体で企画、編集を担当。
現在は運営責任者として『つまおもラボラトリー』の全記事に関する責任監修を務める。
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