FBI捜査官・皆実広見(以下、皆実)と技術支援捜査官・吾妻ゆうき(今田美桜、以下吾妻)との繋がりが明らかになった今話だが…あまりにも奇跡が過ぎてつまらない。
テーマとなる「痴漢」だが、電車で通勤通学しているものにとっては身近な事件。しかし…冤罪が多いという噂もチラホラ。
あんなにギスギスと、皆が疑心暗鬼になる時間を過ごさなければならない日本の文化から改善せねば、真の「痴漢」撲滅とはならないだろう…。

見出し「痴漢ダメ絶対!」
『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS、以下『ラストマン』)は、毎週日曜日21時に放送されている1話完結の完全オリジナルストーリー。
主演は福山雅治と大泉洋のダブル主演。
福山が演じるのは「どんな難事件も必ず最後に解決させることから“ラストマン”と呼ばれていた」という全盲のFBI捜査官・皆実広見(以下、皆実)。
大泉はその皆実のアテンドを命じられた、警察庁人材交流企画室の室長・護道心太朗(以下、心太朗)を演じる。
脚本は『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2021年、主演:鈴木亮平)や『マイファミリー』(2022年、主演:二宮和也)など、日曜劇場で数々の大ヒットドラマを担当してきた黒岩勉。サスペンスやミステリーを得意とするだけに、今作も予想のつかない目まぐるしい展開のミステリーを期待したい。
視聴率は14.7%→13.1%→12.0%と下降気味だったが、今話では12.4%と0.4ポイント微量の回復。(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)
第4話ざっくりあらすじ
皆実のジョギングに伴走として付き合っていた吾妻の目の前で、サラリーマン風の男性が倒れた。その男は「刺された…」と呟き絶命。
一度は事件性なしとされたが、皆実が刺された跡を触った時に違和感を感じ取り、ブラックライトを当てると「狼の紋章」が浮かび上がる。
その線から捜査を進めると、大学准教授で痴漢冤罪被害者の会代表・真鍋美雪(伊藤歩、以下真鍋)にたどり着く。真鍋は痴漢撲滅のため、痴漢を行った人物の手にスタンプを押し犯人を特定するスタンプを製作・配布していた。そのスタンプの模様こそ「狼の紋章」だった。
その後、同様の死亡事故が数件発覚。その全てが「痴漢」として送検されていた過去があり、皆チームを組んで「痴漢」をしていた仲間だったことから、今回の事件は「痴漢」をした犯人へ「痴漢」被害者の復讐と思われたのだが……。
しかし事件の真相は、婚約者が痴漢の冤罪を苦に自殺したことの逆恨みによる真鍋の犯行だった。
満員電車が無くなる世界へ
今回のテーマは「痴漢」。真鍋の婚約者は痴漢を疑われ、示談金を払い解決しようと弁護士に言われるが冤罪を訴え自殺していた。
もちろん「痴漢」する者が完全に悪い。が、漫画やゴシップの世界だけのように思えるが、あらぬ疑いをかけられ人生を滅茶苦茶にされた人がいるのも事実。
そのため世の男性たちは、そのあらぬ疑いを向けられぬことのないよう、いかに満員電車であろうともカバンを抱えたり、つり革を掴めなくても手を上にあげていたりと苦労を重ねている。
ただでさえ満員電車でストレスフルなのにも関わらず、そんな自衛の手段を取らないといけないなんて、なんとも「つまらない」通勤通学時間だろう。この皆が同じタイミングで動かなければならない上に、会社や学校が都心へ一極集中する社会システムに問題があるというものだ。
そんなくだらない世の中を改善することこそが、真の「痴漢」撲滅への第一歩ではないだろうか?
数年続いたコロナ禍でリモート勤務が定着したかに思えたが…どうやらそれも夢まぼろしだったようだ。
リアリティーがあるんだかないんだか…
今回で吾妻の過去…高校時代に陸上部で活躍していたが盗撮やストーカー被害にあい外に出られなくなったが、その時に全盲のFBI捜査官・皆実の存在をネットで知り「誰かのために頑張る勇気を与えられ、自分も警察になり人助けをしたい」と思い、皆実に点字の手紙を送っていた過去が明らかになった。
それが10年前の話。吾妻は夢を叶え警察組織で働き、今では憧れを抱いた皆実と一緒に仕事ができるようになったと喜んでいるのだが…ドラマの虚構世界ゆえのストーリーであることは理解できるが、なんとも出来過ぎ感があり興醒め必至である。
また真鍋の婚約者は「痴漢」で冤罪を被った者ではなく、普通にグループに属し「痴漢」をしていたと知るのだが、婚約者の両親も知っていたのに真鍋だけには知らされなかったあたりも違和感しかない。
結婚したのちに本当は「痴漢」してました…て分かった方がより不幸を生むと思うのだが…。
本日のどうでしょう
今話の冒頭、大泉による福山のモノマネが披露された。
以前『ラストマン』における大泉の起用法の是非を問うた記事を書いたが、大泉に気持ちよくモノマネさせているようでは宝の持ち腐れである。
「お前に言われてると思うと腹立つな」
HTB『水曜どうでしょう』原付日本列島制覇 藤村忠寿
彼くらいのツッコミがあってこそ大泉が生きるのだ!と改めて明言する。
各話感想一覧
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『ラストマン』最終話。意外な結果&最高の役者発見で大満足なだけに…続編情報がなくつまらない!
『ラストマン』最終話。脚本家・黒岩勉恐るべし!これほど最高なドラマは久しぶりに見た気がする。それに…以前の京本大我もそうだったが、このドラマで新たな魅力に気がついたもう1人の役者…津田健次郎も最高だった!続編はいつ? -
『ラストマン』第9話。41年前の事件の全貌が見えてきた!しかし…単独行動が予定調和すぎてつまらない
『ラストマン』第9話。今話はかなり意表をつく展開が多く楽しめた。『マイファミリー』でハラハラドキドキさせられた身としては、やっと脚本家・黒岩勉の本領発揮といったところか?残す最終回で伏線回収できるのかが心配ではある。 -
『ラストマン』第8話。事件はつまらないが必殺仕事人のDNAは確実に受け継がれている?通常の事件も意味はあるのか…
『ラストマン』第7話。我々世代で「京本」といえば「政樹」なのだが、これを機に「大我」になりそうだ。そんな気配漂う京本大我の熱演に感動した!とはいえ、本筋の41年前の事件が停滞していてドラマ自体はつまらないものだった。 -
『ラストマン』第5話。なんか事件があっさりでつまらない。ようやく皆実の魂胆が明らかに…
『ラストマン』第5話。今回はインフルエンサーの「承認欲求」がテーマ。だがそんなテーマなんかどうでも良いほど事件があっさり解決してしまい、サスペンスものとしては本題が疎かすぎてつまらない。まぁそうせざるを得ない理由はわかる。 -
『ラストマン』第4話。リアリティの無さがつまらない。痴漢はする方もされる方も…冤罪被る方も不幸になるだけ!
『ラストマン』第4話。今回は「痴漢」をテーマに進んだのだが…作中にリアリティが無い場面が多く、どうにも興醒め感が否めなかった。それに、大泉洋の使い方に対しても違和感がある。彼に気持ちよくモノマネさせているようでは…生きないぞ。 -
『ラストマン』第3話。特筆することがなくてつまらない!ただの普通の刑事物ドラマすぎる…
『ラストマン』第3話。今回は…見逃したとてなんの問題もないくらい進展のない回。巷では皆実が「実は目が見えている?」と疑惑を持たれているのだが、それに関して私としては実体験を通してキッパリと否定したい! -
『ラストマン』は内容が全く入ってこない!それはひとえに大泉洋のせいである
我々にとって『ラストマン』の主役は大泉洋である。まぁそのおかげで内容が入ってこなかったんですけどね(笑)2回観たところ内容にも大満足!今期ドラマで1,2を争う期待値だったが…これは今期の「覇権」待ったなしか?
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