今回の第3話を観ていたら「やはり主役は萱島でよかった」と思えるほど、消防隊員・白浜優斗(赤楚衛二、以下白浜)の正義感が鼻につくばかり。
スタイリスト・萱島直哉(山田裕貴、以下萱島)が主役のはずなのに、今のところ白浜の影に隠れていて「主役は誰?」状態なのはこれまで通りなのだが…私の気持ちがライドするのは萱島だった。
まだ30年後の世界に飛ばされて数日の話ではあるが、もっとギスギスするのが人間だろう?正しいことを言っているのは確実に萱島の方だ!

綺麗事だけでは生き残れない…
『ペンディングトレイン-8時23分、明日君と』(TBS、以下『ペントレ』)に原作はなく、脚本家・金子ありささんのオリジナルストーリー。
公式サイトには「予測不能のヒューマンエンターテインメント」とある。ということはネタバレなしに楽しめるということは…考察に熱がこもるというものだ!
視聴率は7.6%→6.8%と0.8ポイント下落。(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)
第3話ざっくりあらすじ
「この世界が永遠に続くと思っていた私たちは、毎日に飽きて苛立って…けれどそんな日常は一瞬で消えると知って途方に暮れた私に勇気をくれたのは………」
出勤か通学か…みな一様にスマートフォンと睨めっこする電車の車内。すると突如、緊急地震速報のアラームが鳴り響き電車は急加速。スマートフォンの電波は圏外。トンネルへ入った瞬間、電車は激しくゆれ…気がついたら電車の機構はかろうじて残っているものの、緑がうっそうと茂る場所だった。
周囲を観測すると、どうやらココは30年後の世界へ飛ばされてしまったようだ。
なんとか飲み水に適した水を探し当てたのも束の間。総合警備会社に勤める田中弥一(杉本哲太、以下田中)が白いパーカーに黒いジャケットを着た金髪の男を見かける。
田中は萱島の仕事道具であるハサミが入ったバッグを持ち出し追いかけるのだが、怪しい男を取り逃すだけでなくバッグを失くし、戻ってきた田中は萱島にハサミを投げ返す。
それに激昂した萱島は田中に殴りかかるのだが白浜にたしなめられ「お前はどこまで甘いんだよ!」と詰め寄るが、「俺は誰かを追い出したりするのは嫌だ」と愚行を働いた田中にも白浜は温情をみせ対立。
幾度とぶつかる白浜と萱島だが、段々とお互いを理解し始め力を合わせ始める。
近くに川がありそうだと白浜と萱島、そして大学院農学部の生命科学科で研究する大学院生・加藤祥大(井之脇海、以下加藤)と3人で探しにいく途中、田中が見かけた怪しい男を見かけるのだが…加藤がお腹を刺されてしまった。
萱島推しとなった
さまざまな悪事を働き電車をおり1人で生きていくと言う田中に対して温情をかけ、働かない乗客に対しては黙ってその分自分が動こうとする白浜。
高校体育教師・畑野紗枝(上白石萌歌、以下畑野)やネイリスト・渡部玲奈(古川琴音、以下渡部)をはじめ乗客の皆はそんな優しい白浜への信頼を高めていく。
しかし…そんな白浜の正義感は私には理解できない。正義感を通り過ぎて嫌悪感さえ抱いてしまう。どちらかといえば萱島の訴えの方が私には理解できる。
例えば問題を起こした乗客を庇う白浜に「あんた言うことは正しいけどさ、正しくいれば危険はなくなるか?」と疑問を投げかけ、食料を探しにいくのに老人や外国人だからと動かない人に対し「甘えんじゃないよ!」「動かないやつから死んでいくぞ!」と激昂する萱島の方がよほど人間味を感じられるのではないだろうか。
理想論を語るのは誰でもできるが、それで全員が助かるとは到底思えない。動かない人を切るという非道なことを言うわけではないが、萱島のように発破をかけできるだけ個々で動く方が助かる確率は高まるだろう。熱いだけじゃ乗り越えられない現実というものは確実にある。
さらに弟想いなところも泣ける。弟を思い出してだろうか、優しい言葉をかけたり頭を撫でたりと乗客の男子高校生を気にかけているシーンにはやられた。
それほど弟のことを考え弟に尽くしてきた萱島だからこそ、非行に走って逮捕された弟に裏切られた気持ちは大きいのだろう。
口では「(弟は)グレやがって…考えれば考えるほどふざけるなって思う」「あいつが捕まった時『ずっと1人だった。寂しかった』とか言ってたって…ふざけんなと思うだろ?」と言うが、最後には「ちゃんと飯食ってるかな?」「会いてぇな…会ってあやまりたい」と心境を吐露するシーンは必見である。
かなり厳しい状況に追い込まれたのでは?
白浜と萱島は互いに気持ちをぶつけ合う機会が多いからか、徐々に距離感が詰まってきたように思う。これから本格的なバディとして問題解決へ立ち向かうのだろう。
それに今回萱島の背景や本心が吐露されたが、白浜はまだ見えてこない。白浜がなぜあんなにも正義感に従って行動するのか…それが分かれば白浜にも気持ちが乗るのかもしれない。
とはいえ、食べられるものとそうでないものが見分けられる植物学に詳しい加藤が、最後に刺されてしまったのはかなり痛手である。第3話でも毒性のあるものを食べた畑野が倒れたし、その後にも皆が食べるスープの中に混入する事件もあっただけに、これからの食料探しには苦労しそうだ。
また、謎の男が着ている服は若干萱島の弟に似ているような気がしなくもない。出所した時に白いフードのパーカーを着ていたし…でも背格好が違うし、普通に現世でラーメンを食べて涙ぐんでいるシーンもあったし、その線は無いか。
ネット上ではなにわ男子・藤原丈一郎を疑う声が多いが、それも風貌が似ているからだろう。
しかし…私が疑っているのは公式ページの相関図にしっかり載っている割に、これといったシーンが見られない会社員・明石周吾(宮崎秋人)の存在が気に掛かる。流石にこんなバレバレの展開にはしないだろうが…もし明石ならHP製作陣のミスだ(笑)
各話感想一覧
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『ペンディングトレイン』最終話。逃げる時は仲間内だけ…ってのが興醒めでつまらない。残念な結末だったよ!
『ペントレ』最終話。う〜ん…やっぱり積み残しフラグは置きっぱなしでしたね。道中よけいな横道にそれまくってないで、もうちょっと煮詰めて欲しかった。それにあれだけ大事にしてた友達も結局逃げる時は見捨てるなんて…ガッカリだ! -
『ペンディングトレイン』第9話。空白の3年間はどうするのか謎すぎてつまらない。たぶんそのまま放置なんだろうな…
『ペントレ』第9話。最終話1歩手前でも積み残しているものが多すぎてつまらない。一緒にこなかった乗客の皆は?隕石の謎は?それよりも気がかりなのが…なぜ2026年に戻されたのか?「ワームホール」ってそんなこと起こるだろうか…。 -
『ペンディングトレイン』第6話。全面戦争勃発もヌルくてつまらない。キャスティング豪華すぎやせんか?
『ペントレ』第6話。やはりメタ視点が過ぎるけども…萩原聖人は黒かったね!とはいえ車両同士の全面戦争に発展したのに怪我人数名で終わるとは、なんともヌルさを感じてしまいますね。それにしてもキャスティングが豪華すぎ! -
『ペンディングトレイン』第5話。冗長な恋愛模様がつまらない!ようやく動き出した物語のリズムを狂わせるだけ…
『ペントレ』第5話。もう1車両の乗客とコンタクトし、いよいよ物語は動き始める…と思ったら、主要キャラの三角関係ネタに時間を割かれ思いの外進展しなかった。あの恋愛模様は観ていると冗長にしか感じないのだが…必要なんですかね? -
『ペンディングトレイン』第3話。正義感の押し付けがウザくてつまらない!極限の人間はそんなに綺麗事に丸め込まれないだろ?
『ペントレ』第2話。主役はやっぱり山田裕貴で間違いなかった!そう思えたのは今まで主役然としていた赤楚衛二の正義感の押し付けに辟易したからだ。人は正しい言葉だけでは動けない…山田のような非情な決断も時には必要だろう。 -
『ペンディングトレイン』第2話。やっぱり主役は誰?状態が続いてつまらない。極限に置かれた人間の醜さよ…
『ペントレ』第2話。今回は人間の業や醜さが存分に現れていましたね。まぁ極限状態に突然追いやられたら、自分も正気を保てるかは自信ないが…それでもボーっと座っていうことは避けたいので「サバイバル」知識を得ようと思った。 -
【まだ間に合う】主役は誰?『ペンディングトレイン』第1話。混乱するほど豪華キャストも、ストーリーは謎すぎてつまらない?
『ペンディングトレイン-8時23分、明日君と』原作がない完全オリジナルストーリー。キャスティングが豪華で一見しただけでは主役がわからなかったが…主役は山田裕貴。第1話は状況説明で進展なく「つまらない」が…私としては大好物だ!
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