ぼーっとテレビを眺めているときに「つまんねぇ人生…」そう呟く声が聞こえ、もうこれは観るしかない!と心に決めたドラマがある。
それが日曜日夜22時から放送される『日曜の夜くらいは…』(テレビ朝日、以下『日ぐら』)だ。
これは安易に観てはいけないドラマだったかもしれない…と気づいた時には時すでに遅しである(汗)
観ていられなくなる?
『日ぐら』の主演は清野菜名で、脇には岸井ゆきのと生見愛瑠。脚本は岡田惠和のオリジナル作品である。
古ぼけた団地、郊外の借家、街中を空しく走るタクシー。時代に取り残され、活気を失い、どことなくもの寂しさが漂うどこにでもある光景に、特筆すべき要素はない。
テレビ朝日『日曜の夜くらいは…』イントロより
ふと普段の生活の中に、こんな哀愁を感じたことはないだろうか?そんな人には刺さるドラマと言っても過言ではない。
第1話ざっくりあらすじ
公団住宅に車イスの母と二人で暮らしながら、日常に煮詰まっている岸田サチ(清野菜名、以下サチ)が、ラジオ番組主催のバスツアーに母の代理で参加。
そのツアーで一緒になった、祖母と田舎暮らしの樋口若葉(生見愛瑠、以下若葉)とタクシー運転手の野田翔子(岸井ゆきの、以下翔子)と意気投合するが、サチはどこか乗り切れない様子で距離をとってしまう。
道中立ち寄ったお店で「おやき」作り体験をするときに、3人で撮った写真を見て涙ぐんでしまった。「私笑ってる」「楽しいことがあるとキツイ」「一緒にいて楽しい友達ができると、余計キツくなる」と心境を吐露。
その後は吹っ切れたように明るく、3人での会話も盛り上がって帰路についたのだが…最後にライン交換を求められたとき、「いや…やめとこう」「最初はあれだけど、だんだん来なくなるのキツい」「楽しかったからこのままで…」と、ライン交換をせず別れてしまう。
つまらない日常に戻った3人。若葉と翔子は3人の写真を見て楽しかった旅行を振り返るが…サチはその写真を消してしまった…。
岡田惠和なら間違いなし?
「つまらない」日々の繰り返し描写には、なんとも心がえぐられる感触があったのだが…正直ストーリーの展開としては自己紹介レベルで物足りなさはあった。まぁ第1話としてはこんなところだろうか。
しかし脚本を担当するのが岡田惠和だと知り、大いに驚いた次第。Z世代には縁遠いかもしれないが、我々アラフォー世代にはドンピシャなドラマの脚本を数多く手がけている。
『南くんの恋人』(1994年、テレビ朝日)や『若者のすべて』(1994年、フジテレビ)、連続テレビ小説『ちゅらさん』シリーズや『ひよっこ』シリーズ(ともにNHK)など名前くらいは聞いたことがあるのではないだろうか?
中でも岡田惠和といえばコレというドラマがある。それは反町隆史と竹野内豊のダブル主演作『ビーチボーイズ』(1997年、フジテレビ)である。平均視聴率は23.7%、最高視聴率も26.5%(ともにビデオリサーチ)と月9の中でも大ヒットを記録したドラマと言っても良い。
それに今年7月に待望のBlu-rayが発売される。Blu-ray BOXにはドラマ本編に加え、スペシャルドラマ、特典映像が収録されるとの情報なので、これを期に一度観てみても良いと思う。広末涼子が可愛い!
だがしかし!私としてはそんな『ビーチボーイズ』のほかに推したいドラマがある!

それは…小泉今日子が主演を務めた『最後から二番目の恋』シリーズ(フジテレビ)だ。今でも時々再放送されるし、FODなどでも観られるので是非観てほしい。
小泉今日子と中井貴一の言い合いなどは「これはアドリブか?」と疑いたくなるほどのシーンがたくさんあって、実に面白くゲラゲラ笑ってしまうのだが…人間ドラマとしても上等で人気を博した。
その結果、シーズン1の終了が2012年3月なのだが、その年の11月にスペシャルドラマが放送。2年後の2014年にはシーズン2が放送開始。予算も大幅にアップしたようで海外ロケも敢行された。それだけじゃなく韓国版としてリメイクされるほどである。
『最後から二番目の恋』で観られたようなアドリブ合戦が、今回の『日ぐら』でも多く観られたのも私にとっては嬉しい限り。
ツラくなるような描写が多くなりそうな『日ぐら』の中で、清涼感を得ることができるエッセンスとなることを期待している。

日常と非日常の差が大きければ…
正直言ってサチの気持ちは痛いほどよくわかる。楽しければ楽しいほど、日常との差が大きいほど…現実に戻った時の消失感は計り知れずダメージは甚大だ。
だけど…サチの拒絶具合は異常とも言えるレベルなのだが、過去に一体どれほど壮絶な経験をサチはしたのだろうか?若葉や翔子にも同じような過去があるのだろうか?
本日追加キャストが発表された。サチの父・中野博嗣(尾美としのり)に若葉の母・まどか(矢田亜希子)そして翔子の兄・敬一郎(時任勇気)と、それぞれの過去を知るような役柄だけにこれからその過去が明らかになると思うと…楽しみと同時に少し気が重い。
🎉情報解禁🎉
— 【公式】ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』4月スタート!【ABCテレビ・テレビ朝日系全国ネット】 (@nichigura_abc) April 30, 2023
✅若葉(#生見愛瑠)の母・まどか 役#矢田亜希子 さん
✅サチ(#清野菜名)の父・中野博嗣 役#尾美としのり さん
✅翔子(#岸井ゆきの)の兄・敬一郎 役#時任勇気 さん
主軸の3人の友情物語にビターな味わいをもたらす不都合な家族たちに是非ご注目ください👀#日曜の夜ぐらいは pic.twitter.com/pIV8WOWvHn
私なんぞは「日曜日の夜にこのドラマは冒険では?」と、月曜日から仕事が始まることの多いであろう方々の心配をしてしまったが…ネット上では「1週間頑張ろうって思える」「日曜の夜にピッタリ」と言った声も多く聞こえたのは意外だった。
それにしても…清野菜名と岸井ゆきのという俳優に負けず劣らない、モデル出身の生見愛瑠の存在感は目を見張るものがあった。最近よくドラマで見かけるだけに、制作サイドも生見の演技力を買っているということだろうか。
ほんと来週の第2話が今から楽しみである!
おまけ…これはもはや病気だ(汗)
もう私のせいへ…じゃなくて病気だと思うのだが、どうしても『水曜どうでしょう』(HTB)や大泉洋との接点が見つかるとニマニマしてしまう。全くドラマとは関係ないのになぁ…。
サチが働いていたファミレスの舞台は、小松菜奈と大泉洋が主演を務めた映画『恋は雨上がりのように』(2018年公開)と同じところだし、母と食べていたアイス『白熊くん』は『水曜どうでしょう』とは切っても切れない商品だ。
それに…本人はあまり言われたくないようだが、エレキコミック・やついいちろうは大泉と似てるよなぁ(汗)
各話感想一覧
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『日曜の夜ぐらいは…』第8話。新しい人間関係とはこの形が理想か?しかし…理想にしか過ぎずつまらない…
「つまんねぇ人生…」こんなことを言っていた彼女ら。今はそんな影すら見えないほど光り輝いて見える。そんな彼女らが築き上げた人間関係こそ、これからの時代に必要な姿なのではないだろうか?このドラマは「社会派ドラマ」だった。 -
『日曜の夜ぐらいは…』第5話。カフェ経営への第一歩も不安が拭えずつまらない。「視聴離脱」宣言が多い理由は…
「つまんねぇ人生…」誰しもが抱く日々の鬱屈を一発大逆転できる大金でカフェ経営を目指す3人。しかし…明るい将来に輝けば輝くほど、影をさすのが人生。どうしても金の亡者の汚い大人の影がチラホラ見えるのが気になってしょうがない。 -
『日曜の夜くらいは…』第4話。登場人物に感情移入すればするほどつまらない。と言うより辛い…。
「つまんねぇ人生…」誰しもが抱く日々の鬱屈を一発大逆転できる大金を手に入れた3人だが、各々悪い人間(身内)に振り回される鬱展開。番組後半には将来の展望に光がさし笑いあう彼女たちがいたのだが…どうにも安心できないのが怖い。 -
『日曜の夜くらいは…』第3話。容易に想像がつく展開でつまらない!
「つまんねぇ人生…」誰しもが抱く日々の鬱屈を一発大逆転できる大金を手に入れた3人だが、各々過去のトラウマなどにより有効活用できない。そんな中お金の匂いを嗅ぎつけた醜い人間の魔の手が…。悪い人間の見本市展開に少々辟易する。 -
『日曜の夜くらいは…』第2話。なんか…嫌な予感がする!胸くそ展開を想像すると辛すぎて観ていられない…
「つまんねぇ人生…」誰しもが抱く日々の鬱屈をささいな幸せで乗り越えている。登場人物の背景が徐々に明らかになってきたのだが、バスツアーで購入した宝くじが当選。山分けの約束を果たそうとするのだが…なんか嫌な予感がする。 -
『日曜の夜くらいは…』人生につまらなさを感じている我々に刺さるドラマな予感も、第1話は進展なくてつまらない…
「つまんねぇ人生…」そう呟く声がテレビから聞こえ観ることを即決したドラマだったが、これは安易に観てはいけないドラマだったかもしれない…と気づいた時には時すでに遅しである。傷がえぐられるか癒されるか…最後まで観てみたい!
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