まず初めに言っておこう。私はこのドラマを普通に観ることはできないと確信した!
大泉洋が真面目な演技をしたらニヤついてしまうし、藤村忠寿や嬉野雅道(ともに『水曜どうでしょう』(HTB、以下『水どう』)ディレクター)の影がチラついてしまう。
これは私だけではないようで、Twitterでは「#ラストマンどうでしょう」というタグがトレンド入りしていたので安心した次第(笑)
とはいえドラマ自体は大いに楽しめた。脚本も某ドラマより整っていて、私としては今期覇権ドラマと言っても過言ではない印象だ。それは数字にも表れており平均世帯視聴率は14.7%と、某ドラマの初回12.1%を大きく引き離した格好である。(視聴率は関東地区=ビデオリサーチ調べ)

藩士の皆のどもは同じ気持ち?
『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS、以下『ラストマン』)は福山雅治が「どんな難事件も必ず最後に解決させることから“ラストマン”と呼ばれていた」という全盲のFBI捜査官・皆実広見として主演を務める。
そのバディとして大泉が登場するのだが…この大泉、一部のコアなファンからすればまともに内容が入ってこないのではないだろうか。
あくまで個人的な意見であるが…TBSではなくテレビ朝日で制作放送してほしかった。
藤村くん藤村くん…あんまりじゃぁないか!
大泉の名前が一躍全国区になった大きな要因の一つには、間違いなく『水どう』の影響が大きい。
『水どう』とは大泉が大学生のとき(1996年)に放送を開始。その後ローカル番組ながら徐々に知名度を増し、2007年には全国47都道府県すべてで放送する偉業を達成。
2018年にHTB(北海道テレビ)が新社屋に移転できたのは『水どう』のおかげと噂されている。というより大泉本人が「俺のおかげで建った」と臆面もなく豪語するあたり、自他ともに認めざるを得ない…と言ったところだろうか。
私はこの『水どう』のセリフもほぼ覚えてしまっているので、番組を見ていても笑いが起こる前に笑ってしまうほどハードウォッチャーである。だからこそ、今回の『ラストマン』も普通に観ることができないのだ。
冒頭サングラスをかけ登場する場面では「お、西部警察・大門のモノマネかな?」と期待してしまうし、ヘリコプターで移動するシーンでは「おいおい、ゲロ吐いちゃわないか?」などと笑いが堪えられない。
そしてホテルのルームサービスで注文を聞かれるシーンでは「私のもよこしなさいよ!」と、大泉が「パンケーキください」と言えば「フハハハ…パンケーキですか!」などと、そこに絶対に居るはずのない藤村Dの声が聞こえてくるじゃあないか!そんなんじゃドラマの内容なんか入ってくるわけがない(笑)
もういっそのこと、舞台俳優としても活動をしている藤村Dを起用して欲しいくらいだ。だからこそTBSではなくテレビ朝日で…と願ってしまうのはダメだろうか。(注:HTBはテレビ朝日系列である)
目立つアラは無かった
終始そんな感じの「イマジナリーどうでしょう」のせいで内容が全く入ってこなかったため、改めて録画を見直すハメになった。
流石に2度目ともなれば落ち着いて観ることができたのだが、このドラマ…なかなか良いではないか!某ドラマのような見方はしなくても良さそうである(笑)
全盲の捜査官ということで、周りの力を借りることは想像していたが「それだけで大丈夫か?」という危惧もあった。それを上手いこと科学の力を用いて解消している。このアイカメラや携帯電話がキーポイントとなりそうだ。
だが携帯電話の操作方法や歩行方法、聴力や嗅覚が異常発達すぎやしないか?などと福山の挙動が若干大袈裟に思え、最初は違和感を拭えなかった。
しかし…このドラマには「全盲所作指導」の監修が入っていると知り、それなりに裏付けのあるものだと理解してからは違和感は無くなった。人間とはかくも簡単なもんですな(汗)
他にも「警察」や「法律」方面の監修も入っているようで、大きく現実離れすることもなさそうだ。
なんだか脚本やトリックに関してのハードルが、我ながら下がってしまったように思う(笑)次週以降も楽しみに待っていよう!
期待値以上の結果に満足
個人的に今期のドラマで1,2を争う期待値だった『ラストマン』。1,2の片方が勝手にコケていることも手伝ってか、私の中では「覇権」候補に躍り出た。次点は『unknown』(テレビ朝日)か?
先日「『ラストマン』はつまらない?」という記事には「不安要素がたっぷりだ」なんて書いたが、それも良い意味で裏切られた。正統派刑事モノでありながら、ちょいちょいクスっと笑えるシーンもあってメリハリが良い。
一部では「何から何まで優等生な印象」というコメントも見られたが、昨今のズッコケ脚本が多いドラマの中では安心して観られるというものだ。あ~ひょっとして、おじさんになった証左なのだろうか…だとしたら悲しい限りだ。
次週以降は藤村Dの邪魔にも勝てることを期待しているが…多分無理だろうなぁ(笑)

各話感想一覧
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『ラストマン』最終話。意外な結果&最高の役者発見で大満足なだけに…続編情報がなくつまらない!
『ラストマン』最終話。脚本家・黒岩勉恐るべし!これほど最高なドラマは久しぶりに見た気がする。それに…以前の京本大我もそうだったが、このドラマで新たな魅力に気がついたもう1人の役者…津田健次郎も最高だった!続編はいつ? -
『ラストマン』第9話。41年前の事件の全貌が見えてきた!しかし…単独行動が予定調和すぎてつまらない
『ラストマン』第9話。今話はかなり意表をつく展開が多く楽しめた。『マイファミリー』でハラハラドキドキさせられた身としては、やっと脚本家・黒岩勉の本領発揮といったところか?残す最終回で伏線回収できるのかが心配ではある。 -
『ラストマン』第8話。事件はつまらないが必殺仕事人のDNAは確実に受け継がれている?通常の事件も意味はあるのか…
『ラストマン』第7話。我々世代で「京本」といえば「政樹」なのだが、これを機に「大我」になりそうだ。そんな気配漂う京本大我の熱演に感動した!とはいえ、本筋の41年前の事件が停滞していてドラマ自体はつまらないものだった。 -
『ラストマン』第7話。ストーリー自体はつまらないのでどうでも良いが…皆実が調べたい事件の真相が想像できてきた
『ラストマン』第7話。う〜ん…もはや各話の事件はどうでもいいなコレ。やはりキーになるのは41年前の皆実の家族が殺害された事件。これに関し私に一つの推察が浮かんだので聞いて欲しい。結構いい線いってると思うんだけどなぁ…。 -
『ラストマン』第6話。流石に引っ張りすぎてつまらない。リアル事件への配慮は素晴らしい!
『ラストマン』第6話。う〜ん…前話に引き続き肝心の事件が薄すぎ。まぁ同じ脚本家の『マイファミリー』も似たような展開だったことを考慮すれば、まぁ許容範囲か?早く皆実の過去が観たいんじゃ〜。 -
『ラストマン』第5話。なんか事件があっさりでつまらない。ようやく皆実の魂胆が明らかに…
『ラストマン』第5話。今回はインフルエンサーの「承認欲求」がテーマ。だがそんなテーマなんかどうでも良いほど事件があっさり解決してしまい、サスペンスものとしては本題が疎かすぎてつまらない。まぁそうせざるを得ない理由はわかる。 -
『ラストマン』第4話。リアリティの無さがつまらない。痴漢はする方もされる方も…冤罪被る方も不幸になるだけ!
『ラストマン』第4話。今回は「痴漢」をテーマに進んだのだが…作中にリアリティが無い場面が多く、どうにも興醒め感が否めなかった。それに、大泉洋の使い方に対しても違和感がある。彼に気持ちよくモノマネさせているようでは…生きないぞ。 -
『ラストマン』第3話。特筆することがなくてつまらない!ただの普通の刑事物ドラマすぎる…
『ラストマン』第3話。今回は…見逃したとてなんの問題もないくらい進展のない回。巷では皆実が「実は目が見えている?」と疑惑を持たれているのだが、それに関して私としては実体験を通してキッパリと否定したい! -
『ラストマン』第2話。違法捜査発覚も「結果が出れば過程はどうでもいい」つまらない言い訳には違和感…
『ラストマン』第2話。今回はキャラクターの背景作りには重要なシーンだと思うのだが…ちょっとその言い訳は無理筋では?と疑問が湧く部分もあった。昨今の社会問題を助長しかねないような発言もあってもんにょりした次第。 -
『ラストマン』は内容が全く入ってこない!それはひとえに大泉洋のせいである
我々にとって『ラストマン』の主役は大泉洋である。まぁそのおかげで内容が入ってこなかったんですけどね(笑)2回観たところ内容にも大満足!今期ドラマで1,2を争う期待値だったが…これは今期の「覇権」待ったなしか?
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