シーズン途中の異常退団…
11日、日刊スポーツがバスケットボール女子日本リーグ「Wリーグ」に属する名門シャンソン化粧品シャンソンVマジックにて、今年2月に元日本代表である藤岡麻菜美選手ら計7選手の退団及び李玉慈HCの引責辞任を発表した件について、一部の選手より心療内科医の診断書が添えられた上で退職届が提出されていたことが分かったと報じられました。
今シーズンのプレーオフ進出に向けた重要な時期に、大量7選手の退団とヘッドコーチの辞任は間違いなく「異例」ではありますが、チームは「今季、チームは高い目標を掲げ切磋琢磨してまいりましたが、方向性の違いにより7選手は退団」と発表。
合わせて、李玉慈HCについては、「選手退団という混乱を招いたことの責任をとって辞任」と発表した上で、残った選手、スタッフで一丸となり、シーズンを戦い抜くファンへの報告と騒動への謝罪を行っていました。
そのシャンソンは最終的にレギュラーシーズンを7位で終え、プレーオフのセミファイナルにてトヨタ自動車アンテロープス(2位)相手に第一戦(78-64●)、第2戦(66-56●)と連敗し敗退。
7選手も退団し、HCも辞任したシーズンで、プレーオフのセミファイナルまで進んだ選手たちには惜しみない拍手を送りたいですが、今シーズン終了直後に報じられたのは冒頭の通り。
引き金は、チームトップの川村旭代表による高圧的な言動によるパワーハラスメント被害によるものと主張しているとのことですが、一方でチームの顧問弁護士はパワハラに当たらないと強調しているとのそうなので、主張は真っ二つに割れている状態ですね。
東京五輪での感動から女子バスケットボール界の現在地…
Wリーグはシャンソン化粧品に2月の大量退団時点で情報公開を求めており、退団選手らに聞き取り調査も行うとのことなので、今後詳細が明らかになるはずですが、東京オリンピックで銀メダルを獲得し感動を呼んだ女子バスケットボール界のニュースとしては非常に残念なニュース。
パワハラが事実かどうかは別として、選手7名が退団に追い込まれる(退団を決断する)ほどの方向性の違いというのは、よほど異常な環境下だったと言って差し支えないはずです。
失礼を承知で言わせて頂ければ、まだまだ世間から見ればオリンピック時に観戦するマイナースポーツの域を抜けきれていない印象の女子バスケットボール。
今回注目を浴びたシャンソンの大量退団がそうだとは言いませんが、マイナースポーツという枠組みを抜ける為にも、リーグ全体そして各チームのコンプライアンス意識や、それを体現する仕組みについて不備がないか徹底的に検証する必要があるようにも思えます。
個人的には東京オリンピックの影響による女子バスケットボール界の盛り上がりを感じているからこそ、Wリーグ・そして各チーム、選手がさらなる飛躍を遂げることに期待したいですね。
最後にシャンソン化粧品を退団した栗林未和選手が、来季は東京羽田ヴィッキーズに加入することが10日に発表されました。
シャンソン退団の7選手で移籍決定第1号となった栗林選手の今後の活躍を期待すると共に、他の選手の新天地が決まることを祈っています。
コメント